会長からのラブレター


令和二年春号 No.41

巷で森進一の「北の蛍」が流行っていた35年前、私は急性肺炎で45日間入院した。
当時少しばかりの成功に酔い華々しく展開した事業が1年も経つと毎月の支払いに苦しむようになった。
「倒産」の二文字が浮かび眠れない日が続いた。

そんなある日予定していた大口の入金が遅れるとの連絡が入った。
忘れもしない、この時胸に熱い稲妻が走るのを感じた。
その夜から高熱を出し即入院。

治療と言えば良い薬も頂いていたのだろうけれど、ひたすらベッドで安静にして寝るだけの日々。
廊下を歩いていても注意される始末。
20日も経って『体調も戻った、もう大丈夫』とレントゲン室へ行ってもまだダメと言う日が3週間続いた。

やっと退院、厳重に風邪を引かないこと、再発の恐れありと言われた。
以来、うがい手洗い、汗をかいた後の肌着はすぐ着替える、寝るときには楽しいことを考える等気を使い風邪で寝込んだことはない。
同時に中村天風さんの教えに学び、体は心の持ち方で強くも弱くもなることを学んだ。

今その時の心の有り様を振り返ると、病に倒れるのが当たり前だったと良く解る。
ビクビクと心配し不安で酒の力を借りても眠れない。
うとうととして夜中に今月の入金と支払いの計算をする。
やはり足りない、さぁどうしようと明け方まで悩んでいる。

今、世の中はコロナウィルスで大騒ぎ。
私の病にかかった時と同じ心持ちの人が余りにも多いと感じる。
気をつけなければならないのは当然だが、心配のしすぎ、不安だどうしようとストレスを溜めてどうする。
マスコミの時代だから仕方がないと言えばそうなのだが、ワイドショーを見て不安になり新聞を読んで暗い気持ちになる。
日々を縁ある人と助け合い喜び合って生きることを考えもせず傍観していてどうする。

このウィルスとの戦いは長くなる。
そしてこれを克服しても次の新型が来る。
それは近年のサーズ、マーズを見ていても予見できることだ。
その度に今回のように右往左往してどうする。
人間はもっと強いものだと信じて行動しよう。

 

令和元年師走号 No.40

その日私は「天才」を見た。

11月2日、北大学術交流会館。
身障者グループ「札幌いちご会」の講演会 <<分身ロボットが人の可能性を広げる>>
若々しく長髪で整った顔立ち。
自身がデザインしたという「黒い白衣」を着て颯爽と演台に立つと恐ろしく早口で語り始めた。

まずその黒い白衣のカッコよさと便利さ、機能について。
名刺、財布はもちろんノートPCやスケッチブック、ペットボトルに長い傘まで収納できると自慢する。
なるほど!ただ夏は暑いそうだ。
しかし「暑さを我慢するか、着たくもない服を着ることを我慢するかを考えた時暑さなど大した問題ではない」と云う。
自分が欲しいものを作るのが信条の彼にしての言葉である。

幼いころから工作好きで折り紙が得意。
学生時代「折り紙王子」略して「オリィ」と呼ばれるようになり現在の彼の会社名も「(株)オリィ研究所」である。
ただ中学時代は人と馴染めず、不登校、引きこもりの時期があった。
その時の体験が彼のミッション、「孤独を解消する」につながる。
引きこもりの時の孤独、自分が誰からも必要とされていないと感じ、辛さや苦しみに苛まれる状況。
その彼が変わるきっかけとなったのがロボットコンテストでの優勝と師匠と呼べる高校の先生と出会った事だ。
彼は人生が変わるのは「出会い」と「ワクワクすることをやる事」と、高らかに宣する。
その通りで先生の厳しい指導のおかげで日本最大のコンテストで電動ならぬ「電脳車イス」で優勝し世界大会でも受賞するという快挙を達成する。
そして現在の「心を運ぶ」分身ロボット「ORIHIME」の製作へと繋がる。

テレビやマスコミで取り上げられることも多く知っている人も多い事だろう。
最近では身体を動かすことのできぬALS患者の国会議員が「分身ロボット」を国会で使いたいと発言したのでさらに注目度がアップした。
私も2年程前、愛読する雑誌「致知」で彼を知り興味を感じていた。
多忙な毎日、リフォームの現場にこれを置いて進行状況が事務所で把握できたらと思ったからだ。
問い合わせのメールをすると即座に返事が来た。
使いこなせるかと今、思案中である。

「吉藤健太郎」後生畏るべし。

吉藤健太郎

 

令和元年初夏号 No.39

5月末から北海道新聞に連載されている「中国 遠い民主化」は読み応えがある。

正直、中国の共産党政権の人権弾圧を批判する記事を道新で読めるとは思っていなかった。
朝日、毎日、読売と新聞社は権力を監視する姿勢は共通しているが、論調は右から左へと立ち位置が違っているように思う。
道新はやや左かな~と。
それが連日かなりの紙面を割いて共産党政府のチベットや新疆ウイグル族への弾圧や30年前の天安門事件を生々しく伝えてくれる。
一国二制度を約束した香港までもその自由と自治権は日に日に制限されているという。
世界第二位の経済力を誇る中国に魅力を感じてか台湾にも親中派が増えているようだが、第二の香港になりかねない。

自由の制限や人権弾圧はかつての日本にもあった。
三浦綾子さんの「銃口」を読むと、戦中戦前の理不尽な権力の横暴さがよく解る。

銃口

私は現在の自由な日本に生かされていることに心から感謝したい。
だから今の政治のあり方に無関心ではいられないのと同時に、他国の動きも注視していきたい。
「一帯一路」をかかげ、更に南シナ海でベトナム、フィリピン等と領有権を争う中国の行動も。

最近見た映画「空母いぶき」は近未来の事として自衛のための戦いや憲法の矛盾等を感じさせられた。

空母いぶき

視野を偏ることなく広く持ち続けたい。
(道新夕刊の「国と国境」も良い記事です)