会長からのラブレター


H28年初秋号 No.29

3・4年前の事。懐かしい映画の話を同年代の友としていた。感激して見た映画。シーンも俳優もはっきりと頭の中にあるのにその俳優さんの名前が出てこない。おまけに題名も。「ほら、あの~、さあ~」なんて云いながら相手が言ってくれるのを待ったりする。ところが空いても同じ風情。「そうだよ、あの人なんてたっけ」と結局は同じ表情になって”年だよな~”と笑いあう。そこで、”こりゃ・イカン”と頭の老化ストップの情報を集めた。それで「新しいことへのチャレンジ」が心に響いた。元々好奇心は旺盛な方だからそれではと福祉用具の勉強、とりわけ住環境コーディネーター2級は難しいというからこの春から分厚いテキストや問題集を読み始めた。試験日まで3ヶ月あるから充分と思っていたが甘かった。

学ぶべきことは大きく分けて4つ。
1.日本の高齢化と福祉政策
2.高齢者の医療とケア
3.住いの整備
4.福祉用具の種類と役割

ハチ巻締めて、机に向かい勉強なんて50年も前の高校受験以来のこと。馴れない法律用語や制度の固い文章には手こずった。障害や病名も多くてこんなにと驚かされる。70年近く生きてきて世の中の大半の事は知ったつもりでいたが知らない事の方が多いのではと思わされた。確かに若い時ほど覚えは早くないが何度か読んでいると頭に入ってくる。問題集も何冊かやっていて合格点に近づいてくる。「まあー、これで」と迎えた7月10日の試験日。合格通知が来る1ヶ月が長く感じた。「やったぜ」とガッツポーズが出きて今、新しい経験が出来そうだと胸は高鳴っている。

 

H28年盛夏号 No.28

新聞で「高齢社」を知った。定年後の気力、知力、体力のある高齢者に”働く場”と”生きがい”を提供したいと設立されたようだ。実際、定年を迎えても元気な人は多い。毎日、ゴルフにカラオケでもあるまい。現役時代の経験や技術を活かして働くというのは素晴らしい。取引先の建具屋さん。”年金なんかじゃ食っていけない”と80才を過ぎても若い職人さんと汗を流している。気がつくと私も回りの人も定年等関係ないから死ぬまで働くのだと思っている。”腰が痛い、肩が重い”なんてグチをこぼし乍らも、大病もせず、毎日走り廻って”今夜のビールが楽しみ”と笑いあっている。面白いもので余裕があって後継者がしっかりしている人は駄目だ。「オレももう年だ」とつぶやき引退して2年も経つとすっかり老人になっている。

どうも人や金に頼る気持ちを持つと駄目なようだ。「年なんだから無理はよしなさい」と他人から云われ、そうかと思って自分の甘え心を納得させるとあぶない、あぶない。

「表面、人にやさしい手厚い社会は人を弱くするのではなかろうか?」介護保険法が制定された年から認知症患者が急増した。人間、頭も体も使わないとボケてしまうのは誰もが知っている。しかし人間は横着で怠け者だ。つい楽な方を選んでしまう。至れり尽くせりの竜宮城のような生活は浦島太郎の箱のように人をあっという間に老人にする。頭と体を使って一生懸命仕事に打ち込む。

「やさしい妻君はダンナを弱くするのかもしれない」
風邪気味で赤い顔をしていても”仕事に行ったら治る”と尻を叩かれている私は幸せ者なのかもしれない。

 

H28年早春号 No.27

古い映画だが”ミクロの決死圏”というSF映画を覚えておられるだろうか?

お医者さんとその乗り物をうんと小さくして血管の中に送り込み幹部まで行って体の中から病気を治してしまう。こんな夢のような話が今、実現されようとしている。さすがにお医者さんは小さくできないが、血管から体の中の微小空間に自由に入り込んで病気を治したり診断できる極小のマシン。今まで大手術が必要だった病いを体の中から治せるのだから朗報だ。

東京大学教授の片岡一則さんが中心となって「ナノマシン」というがんに効果のある物を作り来年末の承認を目指しているという。そして次には脳腫瘍やパーキンソン病等にも挑戦すると。

正に長生きはするものだ。医療の未来に明るい物を感じる。実験結果をありのままに見る素直さ、絶対に成し遂げるという情熱、何度失敗してもめげない明るさ。この三つが成功する条件だ、と語っているが医療のみならず例えば車などの機械や科学等色々な分野で多くの人がより良い明日を目指して奮闘しているのだ。とはいえ、病気のほとんどは生活習慣の乱れからくる。

毎日ニコニコと明るく働き、ぐっすりと寝る。

自分の心と体を大切にと改めて思わされた。