野幌森林公園にある「北海道百年記念塔」が解体されるということをご存知だろうか?
老朽化が問題というが、最近の技術の進歩で十分にその景観を保つが出来るはずだ。

昭和43年「開道百年」を記念して様々なイベントが催されたことをよく覚えている。
そして「厳しい風雪に耐え、開拓した先人たちを称え、慰霊の誠をささげる」と、道民からの寄付を基にこの記念塔は45年に建てられた。
高さ百メートル、天に向かって伸びる姿は北海道の開けゆく希望を感じさせられ、見るたびに明るい気持ちが湧いた。

今はコロナの影響で観光客も少ないが、美しい自然と歴史ある建物も北海道の貴重なものである。
かっては道庁の赤れんが庁舎も解体の動きがあったそうだ。
小樽の運河も埋め立ての方針が市民の反対運動で中止。いずれも今は人気の観光スポットである。
維持費がかかるからといって歴史の重みを消すべきではない。ましてや慰霊の建物ではないか。

六年前の熊本地震で被害を受けた熊本城。地元のみならず全国から義援金が集まり今も修復工事が行われている。
京都・奈良の名所、古刹も時々の人の努力で傷みを直し、美しい姿を保って、地区の人たちを潤し、多くの人達に愛されている。
有限の命を持つ人々の時代、時代の努力が、未来を明るいものにするのではないだろうか。