“007 ロシアより愛をこめて”を見たのが16歳の時。だから50年以上も前。列車の中でボンドが敵と戦う、スリリングなシーンは今も覚えている。
ボンド役は今6代目だけど何れもカッコ良くそれに憧れて25作品のほとんどを見ている。荒唐無稽といえばそれまでだが、映画に夢を見たい私には、たっぷりとお金を掛けて作る映像、思いもよらぬ武器と派手なアクションとカーチェイス等に毎回酔わされる。
加えて魅力溢れるボンドガール達(笑)。そして音楽、毎回の主題曲がいい。マット・モンローの歌う“ロシアより…”は私が初めて買った洋盤のレコード。高じてアンディ・ウィリアムスの“ムーンリバー”、トニー・ベネットの“想い出のサンフランシスコ”等も。同年輩の方には頷かれる方も多いだろう。
さらに洒落た会話。それは翻訳して字幕にする人のセンスが良いからだろう。エンドロールに出てくる“戸田奈津子”さんを見て「ナルホド」と思う。
13作目からはすべて彼女の作品だが“マディソン郡の橋”で「今までの人生は君に会うためだった」なんて言葉を若い時に知っていたらと密かに苦笑するのだが、シーンが変わる間に読ませる字数に工夫がいると語っている。
さらに最近の若者の日本語力の低下を嘆いている。
映画会社から「若い人は“安堵”という言葉が読めないから“安心”に変えてほしい」と言われてニュアンスが全く違うと反発した事があると言う。
コロナ禍の今もやたらに増えたカタカナ語“オーバーシュート”“クラスター”等すぐには解らない言葉の氾濫に辟易している私は、英語よりも日本語の上達が先だと思ってしまう。
その為にも読書が大事と言われるが好きな洋画の字幕を学ぶのも良いのではと思う。
さて新作であのショーン・コネリーよりも良いと思っていたダニエル・クレイグがボンドを演ずるのは最後だそうだ。
次作は誰が、そしてどんな展開になるのか、今から楽しみである。