?4年前厚別のTさんから紹介され”日本男児すべてに読んで欲しい”と書いた「海賊と呼ばれた男」が映画化された。本はその年の”本屋大賞”となり映画も前評判が高かったから早速飛んで行って観た。

映像で見ると読んで気づかなかった事が細かな所まで解る。

海賊と呼ばれる由縁の海上で漁船に油を売るシーン、酷寒の地満州で列車の車軸の油を外国製の物と比較実験をする事等、俳優達もイキイキとした演技をするから見応えがある。”人間尊重””大家族主義”の理念が社員の心を1つにし苦境を乗り越えていく。

実話が元となっているだけに心を揺さぶられる。

リストラばやりで平気で人を切る昨今と違いかっては大小問わずどの企業も日本的経営としてそれを手本とし会社一丸となって競い合うのが当たり前だった。

働く者も徹夜で仕事を済ませてもそれを自慢したものだし、映画の中の深いタンクの底の油を裸になって汲み上げる事等、今の3Kを嫌う若者達には出来ない事だろう。

最近長時間働かされたとして自殺する者まで出て、それに同情する風潮もあり現代の弱々しい日本人を作っている一因だと思う。

働くとは傍を楽にすることと学んできた。喜び勇んで仕事に向かう人間は時を忘れ、疲れを感じない。労働を金を得るための苦役と思うからイヤイヤ働きうつ病になるのだと云うと暴論と非難されるのだろうか?

さびしい事である。

おげんきですか通信 H29年新春号 No.31より